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第98 - 懺悔

ウパーサカ仏教徒の実修門について、既に法宝の部において、その順序、方法、理由等を説明したけれども、ここでは実修上便宜多きことと、誰にも記憶し易きことと、また歌いつつ法義の深趣に感化せられる事等を考えて、ここに懺悔、帰依三宝、受持五戒、発菩提心、修菩薩行、観釈尊、回向の順序で、歌として備える。

 

懺悔

 

今までは

思わず知らず過しけり 始めもあらぬ時よりぞ

造れる罪のいかばかり 重なる咎(とが)のかずかずは

貪(むさぼ)るこころや憤(いきどお)り いかる心や愚痴よりぞ

身より口より意(こころ)より 造れるすべての罪(つみ)とがを

仏のみまえにのべしきて 心の底より手を合わせ

口に仏名となえてぞ 今やわれ等は懺悔(ざんげ)する

こころのうちは清浄(しょうじょう)に 晴れて冴(さ)えたる月の如(ごと)

いたらぬ隈(くま)なく照(てら)しつつ 身をも清めんもろともに

南無釈迦牟尼仏陀耶(ナムシャキャムニブッダハーヤ) [十返]

 

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