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第83 - 秩序的急速に安心を得る良法

真実仏教は信者には信者相応の安心と利益とを受けしめ、
ウパーサカにはウパーサカ相応の了解と利益と安心とを受けしめ、
菩薩には菩薩相応の了解と利益と安心とを受けしめるものである。

 

また信者でもウパーサカ等でも、身口意の三業が一致和合して、釈迦牟尼仏に南無して融合する時は、恰(あたか)もその人が仏という汽車に乗って行くように目的の地に達して利益を受けることとなるのである。

譬(たと)えば大砂漠を旅行する人々が、英雄である道案内師に信頼して、危険なる旅路を安心して進行するように、生老病死四苦八苦の険悪なる人生砂漠の大旅行において、仏という無比の聖雄である導師に信頼すれば、安穏(あんのん)に生死の大砂漠を通過して、目的地に達することが出来るのである。

 

仏陀に帰依する心は、常に自分は仏と共に居るという強い信念によって、その日その日を恐れなしに、安楽に過すことが出来る。

仏と共に居る者はその仏に対して、恥しい事、疾(や)ましい事は出来ないから、自然に道徳的生活に入るのである。

 

されば一心に懺悔して帰依仏を徹底すると、自然に五戒の教条を持つこととなるのである。

五戒を完全に受持して教理を観察して菩提心を起し、菩薩戒を持てば菩薩となるのである。

 

最極究竟の仏果は仏陀に成って得られるものであるけれども、それに上(あが)る一々の階段位地において、一々法楽徳益を受けて、その位相応(そうおう)の安心を以て、向上しつつ進むのが、ウパーサカ仏教の要旨である。

 

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