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第36 - 仏教本尊の資格

以上現今我国に行われて居る、各宗の主なるものの本尊について見たが、甚(はなは)だ雑駁(ざっぱく)であって、仏教各宗に通じて、一つにきまった本尊は何もないのである。

一宗の中でも一尊にきまったものは、浄土門の各宗各派ぐらいのもので、それは阿弥陀仏即ち無量仏であるから本尊とならぬ。

それを無量寿仏とした所で、他方国土の主尊であるから、この国土の本尊とならぬことは、既に説明した如くである。

 また題目本尊、法身本尊、菩薩本尊、明王本尊、自己仏性本尊等、諸種の本尊は、各宗各派各寺各堂などに属する個々の本尊であって、仏教全体の本尊ではない。

 

されば仏教の本尊となり得べきものは何であるか。

先ず仏教の本尊としては、少くとも以下の如き十徳の性格を具えたものでなければならぬ。

 

かくの如き十種の大徳を具有せられる方を、実際に見出し得ることが出来るであろうか。

 

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